小國神社の十二段舞楽

 

森町には、舞楽の伝えられている神社が三社あり、そのうち二社、天宮神社の十二段舞楽と、小國神社の十二段舞楽は、四月に行われ、47日の天宮神社に続いて、内容はほとんど同じだが、小國神社も見に行った。

 

小國神社のHP」によると、「毎年418日に近い土曜日、日曜日にほぼ1日かけて奉奏しています。」ということで、私は、日曜日の21日に見に行った。

 

天宮神社では舞楽は午後3時半始まりだったので昼頃に行ったが、小國神社は「ほぼ1日かけて奉奏しています。」ということで、早めに行こうと、9時ごろ車で出発して、10時ごろ到着。

 

 

まずは参拝して、社務所で大黒・恵比寿のお札を買って、舞楽についてのパンフレットもいただく。

 

 

 

 

パンフレットによると、

 

「遠江国一宮である小國神社は大黒様として親しまれる国作りの大神「大己貴命(おおなむちのみこと)」をお祀りし、福徳円満・縁結びのご神徳の厚い神社として県内外より崇敬されています。創建は1460余年前、記録によれば欽明天皇16年(555)本宮山山頂にご神霊が現れ鎮まりました。大宝元年(701)には都より勅使(天皇の使者)が遣わされ、現在の地に社殿を造営し、十二段の舞楽が奉奏されたと伝わります。」

 

 

私は、20161029日にも小國神社に参拝して、その時は、本宮まで片道2時間かけて歩いて登ったが、本宮の前からは浜松市や浜名湖など、遠州を一望でき、「国見」の気分で、なるほど遠州国の一宮だ、と実感した。

 

 

 

 

舞楽は、パンフレットによると、

 

1300年前から伝わる伝統の舞楽、地域の人々により大切に受け継がれてきた「古式十二段舞楽」は、舞楽人が大神様への真心をもって奉納し、国と地域の平安そして、人々の繁栄の祈りが込められています。」

 

試楽の土曜日は14時からだが、本祭の日曜日は10:50から、ということで、早めに来てよかった。

 

舞楽は、天宮神社には無かった、番外の「花の舞」から始まった。

 

番外 花の舞

 

祓いの舞で、舞人以外の神職又は、伶人が奏楽に合わせ竹の筒から切麻を振って舞殿を清めます。

 

 

一番 連舞(えんぶ;普通は「延」の文字が使われるが、ここでは「連」)

 

舞楽の始めに行う舞で「神に供える」又は「鎮める」意味があります。舞人は稚児二人で天冠を被り鉾をとって舞います。

 

 

二番 色香(しきこう)

 

大人二人が白色で美しい面をつけ独特の上衣に紫の袴を着て、背に(日・月)の円盤をつけ大きくゆるやかに舞います。

 

マイクでの解説によると、指で象る菱形は、女性を表わし、立てた指は男性を表わしているそうで、日月、男女、陰陽の舞になる。

 

 

三番 蝶の舞(ちょうのまい)

 

舞人は稚児四人で布衣をつけ天冠を被り胡蝶が花に遊ぶさまを模して舞います。

 

四番 鳥の舞(とりのまい)

 

蝶の舞と同じく稚児四人で鳥が飛び、遊ぶ姿を模して舞います。装束も蝶の舞と同じですが、舞い方が異なります。

 

 

ここで12時を過ぎて、休憩。門前の売店で粽を2個買って車にもどり、持参したビールで昼食とする。しかし、それでは足らず、いつものようにカップ麺も食す。

 

14時から「神幸行列」があるので、1345分ごろ境内に戻り行列と、「御幸所」での神事を見物する。

 

 

そして1540分、舞楽の続きが始まる。

 

五番 太平楽(たいへいらく)

 

乱世を正すと伝わるめでたい舞で「太刀舞」とも呼ばれます。稚児四人が鳥兜を被り鉾や太刀を持って勇壮に舞います。

 

 

六番 新まっく(新靺鞨)

 

古くは「新麻久」と呼ばれ舞人は稚児四人で樺色の布衣を着けて舞います。

 

 

中入りの休憩。

 

また門前の売店で何か買おうと思ったが、15時半で終わりとのことで、しょうがないからまた車に戻ってカップ麺とビール。

 

夜の部は17:40から始まる。

 

七番 安摩(あま)

 

紙の面をつけ、青色の狩衣に冠を被り、手に笏を持って舞います。舞の途中で一切の伴奏がなくなる独特なものです。

 

 

八番 二の舞(にのまい)

 

老爺と老婆が安摩を真似てうまくいかない様を滑稽に舞います。この姿が「二の舞を演じる」の語源となりました。

 

 

 

九番陵王(りょうおう)

 

竜頭を着けた恐ろしい面を被り一尺余の桴を持って舞います。赤みがかった装束を着けて勇壮に舞います。

 

 

十番 抜頭(ばとう)

 

稚児の一人舞いで白地に刺繍の装束で舞います。二日目には「座頭の坊」と称する舞子が大騒ぎを演じます。

 

 

十一番 納蘇利(なっそり)

 

恐ろしい面をつけ赤い装束を着て天を仰ぐように舞います。活発に動く舞ですが、その面の表情から見る者に重厚さをかんじさせます。

 

 

十二番 獅子(しし)

 

俗に獅子伏せと言い大人三人で舞います。邪気払いとも五穀豊穣の祈りとも伝えられる祝儀舞です。舞曲共に勇壮かつ華やかに舞います。

 

最後に提灯を獅子が頭突きで飛ばして、観衆がそれを奪い合っていた。

 

 

最後の提灯の争奪戦や舞楽終了後の餅投げには地元の人たちが大勢集まってきた。

 

私は獅子を見て8時半ごろ帰途についた。